EXO『Don't fight the feeling』

今(自分史上)一番熱いK-POPアーティスト・EXOのカムバックである。前作『OBSSESSION』から1年半、個人活動の期間を挟み、待望のグループとしてのカムバである。

 

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キャッチーだ~~~!!!
何を隠そう大好きなんです、キャッチーなEXOが。
EXOの楽曲のクオリティとメンバー全員折り紙付きの実力の持ち主というエース集団であることは今更語るまでもないが、EXOの真に凄いところはクオリティとキャッチーさが両立しているところだと思っていて。何がどうとは説明できないがイイ曲なのは分かる。歌ってる人たちが凄いのも分かる。なんかイイ!なんかすげえ!というとっつきやすさがEXOの音楽にはある。
満を持した新曲が初夏の季節にぴったり、そしてコロナ禍の鬱々とした空気を吹き飛ばす、爽やかでエネルギッシュな曲なのがとっても嬉しい。

何より驚いたのは、全員歌が上手い。「EXOは歌が上手い」は宇宙の真理だ何を今更、と思われるかもしれないが、音楽素人の耳にも分かるくらい歌唱力がパワーアップしているのだ。それも全員。
OBSSESIONに続けてDFTFリリースだったらきっとこの著しい成長に気付かなかったなあと音楽素人は思うのだが、昨年一年間まるまる個人活動の年だったというのがグループにとってもリスナーにとっても大きかったのではと強く感じる。

精力的なソロ活動で驚異的な記録を叩き出したベッキョン。リリースする毎に歌唱力も表現力も研ぎ澄まされ、最新作ではそのとんでも歌唱力に殺される感覚すら覚えるという超人ぷり。ソロを経た今作では磨き上げた歌唱力はそのままに、肩の力を抜いた余裕すら感じられ、ベテランボーカリストの風格である。エンドロールの子犬と同一人物だと……?ギャップで風邪ひく。

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昨年末に待望のソロデビューを果たしたカイ。真骨頂のダンスと共にボーカリストとしての新境地も開拓し、芸術性の高いステージでファンを魅了した。今作ではメインダンサーの他にボーカルパートも担っており、ソロ活動で芽吹いたポテンシャルをグループ活動でも存分に発揮している。圧倒的存在感を放つダンスとふわふわした甘いハニーボイスの両方を堪能出来る贅沢仕様。ソロでの優雅で美しいダンスも、今作の生命力溢れる力強いダンスも、カイくんのダンスはいつだって目に楽しい。

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ユニット活動に他アーティストとのコラボ、音楽映画の主演と多方面から音楽アーティストとしてラブコールを受けるチャニョル。EXOとは一味違う幅広い音楽性、ボーカリストとしての実力を広く知らしめた。今作ではラップパートをセフンに一任しボーカルパートを担当しており、メインラッパーとは違ったボーカリストとしての一面を楽しむことが出来る。ここに来てようやくチャニョルちゃんの温かい低音ボーカルの良さが公式にフォーカスされた感ありますね。表情豊かで笑顔が眩しいチャニョルちゃんの良さが詰まった見せ場もたくさんあってニョルペンは大満足です。ビジュアルの仕上がりが優勝(いつも)。

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チャニョルと共にEXO-SCで本体EXOでは見られない新たな音楽性を披露したセフン。絶対にこの曲で、と強いこだわりと思い入れを見せたソロパフォーマンスが圧巻。今作ではこれまでチャニョルと二人で担当していたラップパートをほぼ一任され頼もしいことこの上ない。「チャニョリヒョンと一緒」のEXO-SCの軌跡を追ってきたオタクとしては、ラップパートを一手に背負う姿にホロリとしてしまいますね。事務所はセフンちゃんに歌わせないんです?SCアルバムや今回のアルバムでも僅かながら聴けますが、セフンちゃんだけの雰囲気を持ったイイ声だと思うんだけどな……… ラップやハモリだけじゃ勿体ない宝の持ち腐れ感………

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昨年末に除隊しグループに合流したシウミン。前回のカムバは不在だったので「初めまして」です。入隊中は軍のミュージカル、除隊後もVliveやソロファンミーティングと表舞台に立ち続け、積極的にファンとコミュニケーションを取るファン愛が光る。エネルギー漲るシャカリキダンスと澄んだキラキラのボーカルは今作でも健在。爽やかなアップテンポの曲とアイドル・シウミンの相性の良さは異常。カイくんシウちゃんペアのパートの驚きの可愛さったら(AEDダンス!)。

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絶賛大陸への長期出張中、向こうで天下を取ってしまったレイ。2016年の冬アルバム以来のEXOとしての本格的なカムバ(MVにもアルバムにも参加!)です。EXOを知った時には既に中国でのソロ活動が本格化しており半分幻のような存在でしたが、MV見て思わずレイさん!!!おる!!!と大きめの声出た。「EXOのレイ」を待ってたファン特にレイペンさんたちの喜びはひとしおだろうなあ……… 透明度の高いボーカルに柔和な笑顔を湛え、キレキレのダンスを披露するソロパートの煌めきがヤバイ。攻撃力高めのソロパフォーマンスとのギャップにクラクラする。

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シウミンに続いて年明け除隊しグループに合流したD.O.(ディオ)。シウミン・レイ同様「初めまして」のカムバです。「俳優ド・ギョンス」効果で兵役中にも関わらず老若男女あらゆる層の新規ファンを獲得し続けていた彼は、今作でベッキョンと二本柱でメインボーカルを担っている。ソウルフルなスモーキーボイスも涼しい顔で軽快にステップ踏むダンスも皆待ってた。今回のカムバ、運営はD.O.が推しなんでしょう???EXOのD.O.を待っていたファンには(待たせたな!)、EXOのD.O.を初めて体験するファンには(刮目せよ!)が込められた「くらえ!EXOのD.O.!」されてる。すごいされてる。ソロデビューに向けて鋭意アルバム制作中とのこと。2021年はD.O.の年です。

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エネルギッシュな曲もレベルアップしたパフォーマンスも最高なDFTFの歌詞がこれまた最高で。最初から最後までキラーフレーズが詰まりまくっているのだ。

「全て無くして / それでこそ本当にリアルな自由を手に入れられる」
「怖いもの知らずな君に会いたい / 底から這い上がった君じゃないか」
「君の若さ 傲慢さ 今出来る無謀なこと」
「ぶつかってみな / 今感じたそれが正解」
「毎晩死んでも朝になると息を吹き返す 誰が想像なんて出来るだろう」
「頑固な理性に振り回されるな」
「感じるままに そのままに」
「人生のたった一度本物を賭けてる / 僕がいつも本気だって知ってるだろ」
「Just one in million 僕でありたかった」
「夜明けのように走って 臆せずやらかせ」
「本能のまま進め / 君を止めたりしないで」

ダイレクトに刺さるフレーズたち。このパート割がまた完璧で、どのフレーズを誰が歌うか、メンバーたちのバックグラウンドやキャリア、過去のインタビューで語った言葉を思い起こさせる、一人一人宛て書きしたのではと思わせるほどピッタリなのだ。
「人生で出会う多くの選択の瞬間に、自身の信念を持って自由に前へ突き進もう」という若者への応援歌らしいが、可能性が無限大、無敵の10代20代よりも、社会に出てそれなりに酸いも甘いも経験した、そしてなんとなく行き詰まりを感じている、停滞感を持て余したアラサー以上の大人にこそ刺さると思う。経験を積めば積むほど現実を知り、こんなものかと思うことも増えていく。年を取る毎に柔軟さは失われ、若い頃のような情熱を持ち続けるのはなかなか難しい。だけどそんな自分を寂しくも思う。このままこれでいいのかしらと理由もなく不安になる。
そんな迷える大人たちをEXOは自分の思う様やれ!躊躇わず進め!と力強く鼓舞してくれる。それも「EXOのライバルは過去のEXO」と言って憚らないEXOが歌うから説得力がハンパじゃない。頼れるのは自分だけ、何が正解かも分からないまま選択を迫られる瞬間がこの先もたくさんあると思う。そんな時、この曲が共にあって檄を飛ばしてくれたらなんとか自分の足で立って歩いて行ける気がする。
『Don't fight the feeling』はそんな「大人のための」応援歌です。歌詞を見ながら聴いてほしい。

 

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えくそちゃんカワイ…… 尊……